《ご質問とその回答集》
ギター初心者ですが,ギターの先生と一緒にたくさん試奏させてもらい,張りと透明感のある音色や低音から高音までよく鳴る ところが気に入って買わせていただきました。一生大事にします(^_^)。万が一表面が傷ついたときなどはどんな対処をすればよいですか?(2003/4/4)
私のギターを愛奏していただき、まことにありがとうございます。 表面には、爪の傷が一番つきやすいですね。 それを防ぐには、着脱可能なネイルガード「クリング・オン」の使用が良いかと思います。 楽器店で手に入ると思います。 万が一表面が傷ついても、そのままご使用下さい。 表面に傷がつくのを恐れないで、練習なさって下さい。 傷が気になるようでしたら、私の楽器はセラック塗装ですので、簡単にリフレッシュできます。 セラックは汗・熱に弱く扱いにくいですが、簡単にリフレッシュ出来るメリットがあります。 少々の傷は、そのままに。 多くの傷が気になるようでしたら、その時は私にご一報下さいませ。
フラメンコギターを習っています。 最近、先生がスペインで仕入れたA. Morales (Granada)を買いました。 量産品とは明かに音は良いと感じますが、日本製、スペイン製と違いはあるのでしょうか? 作家の腕の違いだけなのでしょうか?(2003/4/4)
気候・材料・製作方法・内部構造などにより、音の違いがあらわれます。 もちろん楽器は、作家の腕のみせどころでもあります。 日本製、スペイン製とこだわらずに、世界全ての製作家の間でも音は異なるととらえたほうが良いと思います。 ちなみに、私の楽器はスペインの「ガルシア」ににていると大阪の楽器店にいわれたことがございます。 でも私は「ガルシア」の音は知りませんが。 フラメンコギターは「理性」でなく「血で弾く」と私なりのかってな解釈をしております。 どうぞがんばって下さいませ。
エレガットの向かって右半分のみにゴルペ板を貼ることは可能でしょうか。(2002/12/23)
もちろん可能です。 楽器店でゴルペ板未成型を購入して、ハサミで形を整え、 ご自分で張ることができます。 ワッペンを張る感覚ですが、空気を入れないように慎重にやってください。
ギターはセラックニスなのですが、ネックの裏がどんどん剥がれてきて困っています。一応手を洗って触るようにはしているのですが、べタついて剥がれます。なにか良い管理方法は無いでしょうか?(2002/8/30)
ネック部分をセラックで再塗装するのが一番だと思います。もちろん、ベタつく古い塗膜を全部除去してからです。
質問をしたいのですが、河村ギターにおける弦長640と同650の音質差および音量差はどの程度でしょうか。やはり物理的にも640は不利でしょうか。(2002/7/17)
640と650の差
・音質:ほとんど変わりません。
・音量:比べてみると、若干640の方が小さいかな、という程度です。
弦長が短く、弦幅の小さい楽器は、今まで弾けなかった曲が弾けるということで 手の小さい人にとっては、救世主みたいなものです。 640より短い、私の630のクラシック、フラメンコ・ギターも手の小さい方に大変喜ばれています。 ですから、物理的にも640は不利ということはありません。 それよりも、精神的(曲が弾ける)なメリットの方が大きいと思います。 以上、簡単ですが参考になさって下さい。
ギター製作は経済的に有利ですか?それとも?苦労話は?(2002/7/1)
国内外問わず名前が世に広く知れ渡っている製作家は、経済的に有利だと思います。 何年か先まで注文があるらしいです。 私の場合、知名度がまだ低いですが、ギターの性能では負けていないと自負しております。 それから私が苦労した内の1つに、セラックによるフレンチポリッシング塗装があります。 独学ですのでは、非常に時間と労力がかかりました。
私は不器用で弾くだけで精一杯ですが、どんな世界ですかぜひおしえてください。(2002/7/1)
私も演奏するのが好きで、「ろくげん」というグループで頑張っています。 製作するのは、すごく埃っぽい仕事で、根気と体力とがいる世界です。
ギター製作家として、どのような苦労をなさいましたか、また、その醍醐味を少しばかりお教え願えれば、とおもいます。(01/7/26)
そうですね。例えば「セラック」による塗装について一言。日本では、木工家具類の塗装において「セラック」はあくまで下塗りに使われるだけで、「フレンチ・ポリッシング技法」を知っている人は私の回りにはいませんでした。ですから海外からの文献などで研究して、その技法をマスターするまで非常に苦労しました。

毎日がギターを弾くのが楽しみとなっておりますが、ハードケースに一々入れるのがめんどくさくなり、一日中スタンドに立てってあります。これは、ギターには良くないでしょうか?窓からの直射日光には、当たらないようにはしています。(01/4/29)
結論から申しますと、弾かないときはハードケースにしまったほうが良いでしょう。楽器をスタンドに立てたままだとどのようなことで楽器にダメージを与えるかわかりません。大切な表面板が正面を向いていますし、やはりケース内が安全です。それからこれから梅雨のシ−ズンがやって来ますが、めんどくさがらずにケースにいれて楽器を管理して下さい。(実はここだけの話ですが、私もスタンドにずっと立ててある自作の楽器があります。 確かに楽器が出ていると気楽に練習が出来るような気がします。私の場合は、もし楽器に狂いが来たら自分でメンテナンスがすぐ出来るからと言う事もあります。他の人には勧められません。)

工房見学は可能ですか?(00/8/21)
小さく汚い工房ですが、近くに来られたときはどうぞお立ち寄り下さい。

緊張はしてないつもりなのですが、人前で弾くと遠いイメージのものになってしまうのでしょうか?(00/4/30)
私はあがり性なので、ふだんの練習時の70%前後人前で弾ければそれで良しと自分に言い聞かせています。次に色々な試みを述べておきますが、ご自分に合う方法をみつけてくだい。また良い方法があったら私にも教えて下さい。
 1.弾きまくる。
 2.楽器を使わず目を閉じて頭の中で演奏する。
 3.聴衆は素人だと自分に言い聞かせる。
 4.集中力を持続させる。
 5.曲の分析(形式・和声)を十分しておく。
 6.両手の運指・指使いを自分にあうように決める。
 7.自分の実力以上に見せようとするからあがる。有るがままの自分を見せればよい。
まだまだあるかもしれませんが、「言うは易し行うは難し」です。

ギター製作講座のようなものはしてないのでしょうか?(00/4/25)
期待に答えられなくて申し訳ありません。製作指導はしていません。
将来、体力的に衰えてきたらギター製作法の本を自費出版しようと思っています。

製作ギターのサイドのハカランダは中南米産ローズウッドですか?(00/4/4)
使用のハカランダは、ブラジル産です。ブラジリアン・ローズウッドまたは、ジャカランダとも呼ばれています。

ギターの高音、低音のセールスポイントは?(00/4/4)
音のセールスポイントは、言葉では言いづらいのですが、高音は、明るくクリアーな音色でのびがあり、低音は、太いパワーのある音がします。

ラコート、パノルモ等のコピー楽器を製作する予定は有りますか?(00/3/18)
19世紀ギターがはやっているようですね。将来、製作してみようかなと思っています。

クラッシックとフラメンコの違いがよくわかりません。何がちがうんでしょう?(00/3/14)
クラシックフラメンコ
横・裏ローズウッド、ハカランダ
比重:大
シープレス、メープル
比重:小
表面板
クラシックより一割ほど薄い
胴横幅100mm前後クラシックより5-10mm程薄い
弦高12フレット
1弦:約3mm
6弦:約4mm
12フレット
1弦:約2.5mm
6弦:3.0-3.5mm
しっかりした音で遠くまでよく届く。軽い音で立ち上がりがよく、周りで良く鳴る。
重さ重い軽い